ちょっといい話を書いちゃおうかな、かな

略して

ちょっか(ry

はい

ちょっかなにまつわるいい話です


注:MIXIの日記と同じ内容です。




昨日木曜日の営業中

店内は

五輪のサッカー予選を見るお客様が2,3人の緩やかな時間

店主の僕は「ちょっかな」のチケットの郵送分を封筒に詰める作業をしていた

バタン

新しいお客様がみえて扉を閉める音がした

丁度、ドアから死角にいた僕にはどんなお客様がいらっしゃったのか、見えてはいない

「いらっしゃいませ」

と反射的に声をかける従業員

だが、その声には戸惑いがあった

なんだろうと思い僕も

「いらっしゃいませ」を言うために気持ち体を扉側へ乗り出す

「いら・・っしゃいませ」

そう

戸惑いの声の理由がわかったのだ

僕のお店「ROBO太」にお越しになられた方は

お客様の層がなんとなく予想できると思う

しかしそこの現れたお客様は僕が想像するお客様の層ではなかった

従業員の戸惑いも仕方がない

ひょこひょこっと店内に入ってきたのは

一言でいうと

















おじいちゃん




だったのだ。

好奇心で入ってきてしまうお客様がたまにいらっしゃいますのでそんなに不思議な事ではありませんが

むしろ好奇心をそそる、店構えなのでそれはむしろありがたい事ですらあります。

カウンター席の一番奥にお通し、裏にお通しを作りに入る僕

その時脳裏に浮かんでいたのは

どんなお客様なのか

路地にひっそりとあるお店ですから

マニアックなお酒がおいてあるBARのように見えなくもない

「お酒大好きな方で、お勧めの酒をくれ」とか言われたら

正直な話、満足させる自信が無く、ひるんでいた

従業員がオーダーを聞き冷凍庫に手をかける

冷凍庫に手をかける、という行為が何を指すのかは非常に分かりやすい

生ビールを注ぐために冷やしてあるグラスが必要

もしくはカクテルを造るために凍らせてあるウォッカやジンが必要

ということだ

それはつまり僕がびびっていたような事態は回避できたという事だ

「生?」

「生」

という会話とともにグラスを持っていく従業員

ほっとした僕は従業員にまかせ

(なぜこの従業員に任せたかというとお爺ちゃんやおばあちゃんなどお年を召した方には非常に印象がいい子だから、というのもある)

ちょっと足りなくなった食材を買いに僕は店を出た

数分後

店に戻ると従業員が

予想だにしない事を話してきた

は?

あまりにも突然な事に僕は一瞬意味がわからなかった

「欲しいんですって?」

「何を?」

「チケット」

「なんの?」

「ちょっかな」

「は?」

「ちょっかな(二回も言わせんなよ)」

「誰が?」

「カウンターの奥のお客さん(おじいちゃんの事だ)」

「は?なんで?」

「知りませんよw」

「だよなぁ」

そしてホールに出て少しお客様と会話を交わす

「チケットですか?」

「うん、そう、ある?」

「はい、まだありますが・・・」

そう言ってチケットを用意してお渡しする

「御代はお会計の時に一緒にいただきますね」

そういってお渡しするとおじいちゃんは満足そう

ぼくは思った

「出演者のファンとかではなく、だれか出演者の血縁関係なのだろう。
チケットを本人から買うのではなく突然いってびっくりさせてやろう」
とか考えてるんだろうな、と

だから率直に疑問をきいてみた

「出演者の親御さんですか?」

と。そうするとニコニコしながら予想外の答えが返ってきた

「これはね・・・・・・






つづく



とか言うとブーイングが出そうなので続けますが

「これはね、孫に頼まれたんだよ」


「は?」


「大事な事なので2回言うけど

孫に頼まれたんだよ」



ちょっと意外な言葉、予想に反する言葉に一瞬フリーズする僕たち

でも理解すればなんてことない簡単な言葉

そう

孫に頼まれて買いに来たんですよ

何を?

ちょっかなのチケットを。

「いやね、名古屋にいるんだけどチケットが売り切れで手に入らないと。
そこでこちらではまだ売っていると聞いたらしく買っておいてくれ、と」

「名古屋ですか・・通販してるので申し込んでくれれば郵送も出来たのに」

「いやいや、いいんだよ。どうせこっちに来るんだから」

「あ、なるほど夏休みにおじいちゃんの所に遊びに来るんですね」

「そうそう、そのついでに見に行くんでしょう」

なるほど

そういう事でしたか。

そういう事も考えて見ればそうそうおかしい事でないですよね

そしてチケットをしまうと、おじいちゃんはドアの方へ携帯を持って

電話をしに行った


「きっとお孫さんに買えたよ、って報告してるんでしょうね」



うれしそうに電話する姿(実際は後姿だから表情は見えない。でもきっとそうに違いない。)を見ていると

僕は、いや僕も従業員もなんだかうれしくなった

孫のために代々木まで足を運んで

こんな理解しがたい(おじいちゃんにはね)お店でお酒まで注文してくれて。

普通だったら「チケットあるかい?」でチケットだけ買って帰るのも普通にあること。

一杯どころかおつまみも注文されて2杯目も頼んでくださってた。

かっこいいじゃん。

見方を変えれば、おじいちゃんに買いに来させるなんてなんて孫だ

という見解もあるかもしれないけど

そこよりも

孫が喜ぶ顔を見たくて、おじいちゃんはここまで来てくれたんだろうな

ってそう考えるとなんか幸せじゃないですか


かっこいいぜ!おじいちゃん!!


一時間ほど滞在してお会計して帰って行ったおじいちゃん。


「なんか、いい話だね。いいおじいちゃんだね。」

なんて話をしてたら扉が開く

のぞいたら


あれ?

またおじいちゃん。

「どうしました?忘れ物ですか?」

でも、忘れ物らしきものは残されていなかった

「そうそう忘れ物」

ん?なんだろう、お店には無いみたいだけど

















「チケットもう一枚」









このチケットは誰のためなのかはわからない

もしかしたらおじいちゃんが行くのかもしれない

在庫あるなら友達の分も、なのかもしれない

でも


やっぱり

そこは

おじいちゃんと来て欲しい



会場にきてくれる事を祈って


おじいちゃんに楽しんでもらえるように頑張るよ

おじいちゃんに聴こえる様に歌うよ!

おじいちゃんが昇天するくらい盛り上げるよ!

いっそのこと

天国にいる僕のおじいちゃん、おばあちゃんにも届くように

一生懸命にギター弾くよ!!


































エアギターだけどな。